女児虐待死か 児相が一時保護

千葉県野田市の小学4年生の女児(10)が自宅で死亡し、父親の自称会社員栗原勇一郎容疑者(41)が傷害容疑で逮捕された事件で、女児が2017年、同容疑者からの「いじめ」を訴え、児童相談所で一時保護されていたことが26日、県警への取材で分かった。

 県警は、栗原容疑者が日常的に女児に暴行を繰り返した疑いもあるとみて捜査。死亡と暴行の因果関係を詳しく調べる。

 県警によると、死亡したのは栗原容疑者の長女で、市立二ツ塚小4年の心愛さん。24日夜、同容疑者自身が「娘を風呂場に連れて行ってもみ合いになり、意識や呼吸がない」などと110番し、駆け付けた救急隊員が浴室で倒れている心愛さんを見つけた。

 事件後、県警野田署が野田市に心愛さんに関する情報を問い合わせたところ、17年に県柏児童相談所で一時保護されていたことが判明した。当時通っていた別の同市立小学校でのいじめに関するアンケート調査に、心愛さんが「父親からいじめられている」と回答。学校側が市に「虐待の疑いがある」と連絡し、保護につながったという。

 心愛さんの体には多数の古いあざがあり、虐待の疑いがある児童らの情報を共有するための地元協議会のリストにも名前が掲載されていた。県警は児童相談所の職員からも事情を聴き、保護されたいきさつや、自宅に戻した経緯の確認を急ぐ。